中国のボードゲーム『三国殺』ご紹介!(part 1)

wateringkaka2010-10-30

☆「三国殺」とは何?
「三国殺」とは、三国誌を基づいた開発されたボードゲームです。三国誌キャラクターのロールプレイング・戦闘・偽装などの要素を一体化し、2人・4人から最大10人も一緒に遊べる。現在中国の全国で最も流行っているボードゲームとなっています。

☆標準版「三国殺」の内容は?
標準版「三国殺」には、四種類のカード、合計153枚あります。

① 身分カードとは、自分がこのゲームの中で何の役をプレイするかを確認するカードです。身分カードには4種類があります。標準版のセットには「主公」が1枚、「忠臣」が3枚、「反賊」が4枚、「内奸」(スパイ)が2枚、合計10枚あります。
② 武将カードとは、自分がこのゲームの中でどの武将を演じるかを確認し、その武将のスキルや能力などを使用するカードです。標準版のセットには魏国・蜀国・呉国・群雄の四つの勢力の合計25人の武将のカードがあります。
③ 体力カードとは、ゲーム中自分の体力を勾玉で表示するカードです。標準版のセットには体力カードが10枚あります。使い方は後で説明します。
④ プレーイングカードとは、ゲームの中で使用するカードです。基本カード・錦嚢カード・装備カードに分けて、合計104枚のカードがあります。その他には4枚のEXカードがあります(カードの右下に「EX」アイコンが付いています)、それを同じスートとランクのカードと入れ替えて使用できます。(例:EXカードのスペード2の「寒氷剣」を通常カードのスペード2の「雌雄双股剣」またはスペード2の「八卦陣」と入れ替えてゲームを開始することができます)もちろん、入れ替えなくても良い、4枚のEXカードを直接投入して、108枚で使用することもできます。


☆ゲームの勝利条件
このゲームのプレイヤーは4種類の身分を持っています。勝利条件は各プレイヤーの身分によって違います。

主公反賊及び内奸を全て倒し、天下を統一する。(注意:忠臣が死んでも敗北になりませんが、主公が忠臣を誤殺した時点で全ての手札と装備カードは失ってしまうのでご注意ください!)
忠臣主公を守りつつ、反賊と内奸を全て倒す。勝利条件は主公と同じ。(主公が死んだら敗北になるが、自分が死んでも、主公が全ての反賊と内奸を倒したら、勝利になる)
反賊主公を討伐し、統治を破る。(他の人の生死は関係なく、主公を打ち倒したら勝ちになるので、反賊同士と連携して全力で主公を倒そう!)
内奸反賊と忠臣及び自分以外の内奸を全て倒したあと主公と一騎討ち、主公を倒したら勝ち、それ以外の場合は内奸の負けとなる。つまり主公が死んだ時、自分が唯一の生存者でなければならない(勝利条件は過酷なので、最初のうちは忠臣を装っている場合が多い。状況を見て、忠臣を殺し、両方のバランスを保つことも重要です。)

※各プレイヤーは自分の身分関係なく、反賊を殺したその時点で山札から3枚引くことができる。万が一の時、反賊も仲間を殺して、3枚引くことで逆転の勝機を手にすることがあります。主公や忠臣は反賊のその「逆転の勝機」をさせないため、瀕死の反賊を救うこともあります(救ってから自分の手でその瀕死の反賊を殺し、自分で3枚引く)。戦局を把握して手を出そう!

※全ての反賊が死んでも、忠臣がいる限り(または内奸が2人もいる場合)、主公が倒れたら、反賊の勝利になりますので、内奸をプレイする人は注意しなければなりません!(つまり内奸の勝利条件が満たさない場合で主公が倒れたら、反賊の勝利になります)

☆ゲームの流れ
まず最初は、各プレイヤーの身分を決定します。
人数分の身分カードを用意して(上の表を参照してください)、裏向けた状態で混ぜて各プレイヤーはそれぞれ1枚取ります(ランダム)。主公に当たったプレイヤーは、身分を公開します。それ以外の身分に当たったプレイヤーは、死ぬまで非公開です(瀕死状態になっても非公開、死亡と確認した時点で死亡したキャラクターの身分を公開)。よって、自分以外の人がどの身分であるかを推測しながら戦いを進めていくことになります。

身分を決定したあとは、武将を選びます。
主公に当たったプレイヤーは先に選ぶ。主公技を持つ3人の武将(劉備(りゅうび)・曹操(そうそう)・孫権(そんけん))+他の武将2人(ランダム)を取って、その中の1枚の武将を選んで公開します。主公が選んでいなかった4枚の武将を他の20枚の武将と一緒に、裏向けた状態で混ぜて、各プレイヤーはそれぞれ3枚取ります。そのあと、自分の身分と主公の武将を参考し、自分の3枚から1枚だけ選びます。全プレイヤーが自分の武将を選び終わったら、全員同時に自分の武将を公開します。

武将を選んだら、各自、自分用の体力カードを取って武将カードの横に置きます。体力カードの勾玉の数は自分の武将の体力値の上限と同じようにしてください。(武将の体力値上限は武将カードの一番上の位置に勾玉で表示されている)主公の体力値上限は自分の武将の体力+1。(例:曹操の体力値上限は4点、郭嘉(かくか)の体力値上限は3点。主公が曹操だった場合、体力値上限は4+1=5点になります;主公が郭嘉だった場合、体力値上限は3+1=4点になります。)
※注意:4人の場合では主公の体力値上限は+1しない、武将の元々の体力値上限で開戦します。
※体力カードの使い方:下の写真をご覧ください

その後、プレーイングカード(104枚)をシャッフルして、全プレイヤー4枚ずつ初始手札として引きます。残りのカードをテーブルの真ん中に置き、山札とします。そしていよいよ、開戦!

戦闘は主公から、逆時計回りの順番で始まります。
各プレイヤーのターンは基本的に以下の流れで進めていきます:

ターン開始段階(スタート・フェイズ):この段階で発動できる武将スキルがあれば発動できます(発動させなくても良い)。なければこの段階をとばします。(甄姫(けんひめ)の「洛神」や諸葛亮(しょかつりょう)の「観星」などのスキルはこの段階で発動します。)
判定段階(ジャッジ・フェイズ):「閃電」と「楽不思蜀」といった延時型錦嚢カードの判定を行う段階。(無かったらとばします)
摸牌(札引き)段階(ドロー・フェイズ):山札からカード2枚引きます。この段階で発動できる武将スキルがあったら発動できます。(周瑜(しゅうゆ)の「英姿」や張遼(ちょうりょう)の「突襲」や許褚(きょちょ)の「裸衣」など)
出牌(札出し)段階(メイン・フェイズ):錦嚢カード・装備カード・「桃」は何枚使っても良い。但し、通常「殺」は1ターンに1回しか使えない。また、どのプレイヤーも判定区(延時型錦嚢カードを置く場所。通常武将カードの上の見やすいところ)及び装備区(装備している装備カードを置く場所。通常武将カードの横の見やすいところ)に同名のカードを2枚以上置くことはできない。一度使った錦嚢カードや「殺」などは捨て場へ。
棄牌(札捨て)段階(ドロップ・フェイズ):札出し段階で、出したくなかった或いは出せなかったカードがあった場合はこの段階に入ります。このとき、手札に残せるカード枚数はその時点での体力値と同数。つまり、体力が2であれば、2枚までしか手札として残せず、その時点での体力値を超えた分は捨てなければならない。この段階で発動できる武将スキルがあったら発動できます。(呂蒙(ろもう)の「克己」はここで発動できる、条件を満たせたら、手札を捨てなくても良い。)
ターン終了段階(エンド・フェイズ):この段階で発動できる武将スキルがあったら発動できます。(貂蝉(ちょうせん)の「閉月」など)その後、ターンは次のプレイヤーに渡します。

※「判定」というのは、山札より一枚引き、その種類(スート)または数字(ランク)により判定を行うこと。判定で使われたカードは手札にはできず、そのまま捨て場にいきます。
判定を行うのは判定段階に限らない、武将のスキル・装備カードの効果などで判定が必要な時、その場で判定を行います。
※山札からカードを引く時、特別な説明がなければ、通常 山札の一番上から引きます。
※ゲームの中で使用した・出した、または捨てたカードはテーブルの一箇所に置いて、捨て場とします。捨て場のカードは全て表側を上に向いて置いてください。
※山札にカードがなくなったら、捨て場のカードを全て集めてシャッフルして、新たな山札になる。これはゲームが終わるまで、山札が無くなった度にやります。
※「体力値上限」と「現在の体力値」は違うので、ご注意ください。

☆ゲーム終了条件:
以下の状況が起きる場合、その場でゲームオーバーとなります。
●主公が死亡:この時、もし内奸1人が唯一の生存者であれば、その内奸1人の勝利となります。それ以外の場合は反賊の勝利となります。(全ての反賊及び忠臣が死亡し、内奸が2人生存している場合も、反賊の勝利、内奸・忠臣・主公の敗北となります。)
●全ての反賊及び内奸が死亡:主公と忠臣の勝利となります。(忠臣が死んでいても勝利です。)
(勝利条件は前述の「☆ゲームの勝利条件」参照)




☆ゲームの中の基本概念
※以下の概念はゲームの中、よく使われます。はじめてゲームをする時もしこれが理解困難であれば、この部分をとばして、ゲーム中に問題があった時にここを調べてください。

●距離概念
距離の概念はこの画像の通り:

時計回りで計算しても逆時計回りで計算しても良い、目標プレイヤーとの最短距離(青い矢印の数)は2人のプレイヤーの間の距離です。
(上の画像は8人で遊ぶ例です、この時、プレイヤーAとB・Hの距離は1、AとC・Gの距離は2、AとD・Fの距離は3、AとEの距離は4)
※ゲーム中にプレイヤーが死亡した場合、そのプレイヤーを距離計算から外します。例を挙げてみると、プレイヤーAとGの距離は2、この時、プレイヤーHが死亡したことで、Hは計算から外されます、ゆえに、AとGの距離は1になります。(AとF・AとEの距離はそれぞれ2・3になります)

●攻撃範囲
ゲーム開始時、各プレイヤーの攻撃範囲は1です。つまり、この時、各プレイヤーはそれぞれの隣(距離=1)のプレイヤーにのみ「殺」を使用(攻撃)することができます。
武器を装備した場合、プレイヤーの攻撃範囲は武器の攻撃範囲の数値になります。例を挙げてみると、上の画像のプレイヤーAは「青龍偃月刀」(攻撃範囲:3)を装備した場合、AはB・C・D・H・G・Fに攻撃することができますが、プレイヤーEに攻撃することができません。

●距離の変更
プレイヤーとプレイヤーの距離はいつも固定しているとは言えません。装備カードの「馬」を装備することで、距離を変更することができます。馬は大体2種類があります:「攻撃馬」と「防御馬」。この2種類の馬は各自のカードに「−1」または「+1」を表記しています。

○攻撃馬:攻撃馬はカードに「−1」と表記されています。これの効果は自分が相手との距離計算時に距離を−1すること。(馬に乗って、走って攻撃ができることです)例:上のテーブル画像にプレイヤーAが攻撃馬を装備した場合、距離計算時、A→Hの距離は1−1=0になり、A→Gの距離は2−1=1になります。「青龍偃月刀」を装備したら、距離4−1=3のプレイヤーEに攻撃することが可能になります。
○防御馬:防御馬はカードに「+1」と表記されています。これの効果は相手が自分との距離計算時に距離を+1すること。(馬に乗って、走って回避が出来ることです)例:上のテーブル画像にプレイヤーAが防御馬を装備した場合、距離計算時、H→Aの距離は1+1=2になり、G→Aの距離は2+1=3になります。武器と攻撃馬を装備していないHは距離2のAに攻撃を仕掛ける事ができません。「青龍偃月刀」と攻撃馬を装備したプレイヤーEは、距離4−1+1=4のプレイヤーAに攻撃することができません。
※距離が0以下になる場合は基本的に距離1と扱います。

●判定
※判定を行う方法は前述「判定段階」の「判定とは」に参照してください
※判定で引いたカードは「判定カード」となり、それのスートとランクは判定結果となります。
※判定カードは判定結果決算後捨てられます。

●スートとランク
カードテキストまたはルールに「スート」と「ランク」という言葉があります。それはトランプのスートとランクと理解できます。
○スートは4種類あります:ハートダイヤスペードクローバー。「赤いカード」とはハートとダイヤのカードのことで、「黒いカード」とはスペードとクローバーのカードのことです。
○ランクはスートの下に表示されている13の数字・英字です。AからKまで、トランプの方と全く同じです。

●区域
※各プレイヤーはそれぞれ3つの区域を持っています:手札・装備区・判定区。
※装備区と判定区はフィールド上(テーブル)にあり、手札はプレイヤーの手にあります。
※手札と装備区のカードの所有者はそれぞれのプレイヤー。
※判定区のカードはどのプレイヤーにも所有されていません。(「自分のカード1枚捨てて発動」などで捨てることができません)

●鎖定技
「鎖定技」とは条件を満たしたら自動的に発動されるスキルまたは永続スキルのことです。このキーワードが付いているスキルは強制的に発動される能力とも言えます。

●カードの「使用」、「出す」と「捨てる」
使用:手札1枚を使用する時、あなたはそのカードを宣言して、目標(対象)1人(或いは複数の人)を選択する。その後、決算を待つ。決算が終わったら、そのカードを捨て場に送る。
出す:あなたがカード1枚を出すたびに、それを宣言し、捨て場に送るだけで良い。この時、出したカードの元々の効果を使ったことではなくて、ただ必要があって「出した」だけです。
捨てる:カードを捨てる時、あなたはそのカードを捨て場に送る、宣言する必要がありません。ドロップフェイズに上限を超えた手札を捨てること以外、あなたは主動的に自分の手札を捨てることができません。

●ダメージの来源
ダメージはキャラクターの体力値を減らします。
もしカードに「AがBにダメージを与える」と表記した場合、この時Aはそのダメージの来源です。
通常、延時型錦嚢以外のカードがキャラクターにダメージを与えた時、そのダメージの来源はそのカードを使用したキャラクターです。(つまり、ダメージの来源は常にキャラクターであり、カードではない。)

●瀕死と死亡
ダメージを受け、体力値が0以下になった時、キャラクターは「瀕死状態」に入ります。この時、任意のプレイヤーは「桃」を使って、瀕死のキャラクターの体力を1点まで回復することができます。例:体力値1のキャラクターが「閃電」の効果を受け、体力3点失い、−2点になった。この時自分または他のプレイヤーは「桃」を合計3枚まで使って救う事ができます。体力を1点に救えたら、瀕死キャラクターは復活。できなかったら、そのキャラクターは死亡し、身分を公開、全てのカード(手札、装備区及び判定区のカード)を捨てる。
※もしキャラクターがダメージで瀕死状態に入ったら、まずは「瀕死事件」(桃で救う)を決算してから「ダメージ事件」を決算します。例:夏候惇(かこうじゅん)がダメージを受け、瀕死状態に入った場合、自分か他のプレイヤーが夏候惇を救えたら、その後夏候惇の「剛烈」スキルは発動できる。

●最高原則
ゲームルールとカードのテキストがズレを発生した時、カードのテキストがルールを越えることができます。
例:周瑜(しゅうゆ)のスキル「英姿」:「ドローフェイズ時に、あなたは3枚引くことができる。」とルールの「ドローフェイズ時に、ターンプレイヤーは2枚引く」がズレを発生しました。この時、周瑜はそのルールを無視し、3枚引くことができます。

その他、カードとカードの間のズレは以下の優先順番で決める:
鎖定技>普通の武将スキル>プレーイングカードの効果

Kakaの「中国のボードゲーム『三国殺』ご紹介!」シリーズ
part 1:基本ルール説明
part 2:プレーイングカード詳細説明
part 3:標準版武将説明
part 4:プレーイングカード拡張パック「神話再臨・軍争編」新カード説明  
part 5:3対3のチーム戦特別ルール説明 
part 6:1対1の一騎討ち特別ルール説明 
part 7:武将拡張パック第1弾「神話再臨・風」新武将説明  
part 8:隠しカード「神武将」説明  
part 9:武将拡張パック第2弾「神話再臨・火」新武将説明
part 10:武将拡張パック第3弾「神話再臨・林」新武将説明
part 11:特別武将拡張パック「一将成名」新武将説明
part 12:武将拡張パック第4弾「神話再臨・山」新武将説明
part 13:特別ゲームモード「虎牢関の戦い」ルール説明
part 14:特別武将拡張パック「一将成名2012」スキル修正&新武将説明